寿陵は「じゅりょう」と読みます。寿陵は生前墓ともいい、生きているうちに建てるお墓のことをいいます。通常は自分の墓や夫婦の墓であったりします。
生前ですから、まだ納める遺骨がありません。都営や公営の霊園では寿陵は建てられないことがあります。公営のお墓は足りないので、生きている方はご遠慮いただくと、いうことです。
寿陵はここ数年で急激に増えてきました。その背景には核家族化や墓地不足があります。核家族は、個人の墓を増やし、墓地不足は早めに自分の墓を確保しておこうという動きに結びつきます。最近の分譲墓地はお墓を建てることが条件になっていたりしますので、必然寿陵が増えるということになります。
寿陵の場合、墓石に書かれる戒名は朱文字でかかれます。寿陵は古くから中国でも行われたおめでたい事とされ、古書にも「寿蔵」、「寿穴」、「寿堂」などと書かれています。古くは秦の始皇帝も建てたとされています。生前戒名を朱色で書くのは、朱色はお祝い事の色とされているからです。
よく生前にお墓を建てたりすると「早死にする」、「縁起が悪い」などと言う人がいますが、これは仏教の教えを知らない人が勝手に決めたことです。生前に自分の冥福を祈るというのは、仏教では大変高徳の高い善行とされています。
ところで、お墓は相続税の対象にならないので、親が寿陵を作っておけば、いざ相続のときにこれを除外することができます。
もし寿陵が無い場合は、相続人である子は新たにお墓を作らなければなりません。その資金は相続財産から排除されませんから、されない分相続税がかかってきます。つまり、生前にお墓を建てておけば、その費用分は相続税の節税になるということです。
これは、相続税法第12条の非課税財産に入っているものです。またお墓だけでなく、仏壇や礼拝仏などもどんな高価なものであっても相続税の対象となりません。またお墓の場合、使用権を買うわけで土地そのものを買うわけではありません。したがって不動産所得税などもかかりません。 |